新 かんおんの森から 卒業記念号

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卒業おめでとう!
☆4月からの新しい中学校生活に,胸をときめかせている皆さんに,私からのメッセージを贈ります。
6年生からのメッセージに,こんな言葉がありました。

今まで 一歩一歩 歩んできた
立ち止まることもあった
壁にぶつかり 試されることもあった
それでも 力を合わせて 乗り越えた
これからも 自分たちの力を信じて
一歩 一歩 進んでいこう
いろいろ辛いこと,苦しいこと,悲しいこともあったでしょう。
しかし,みなさん一人一人が,自分の力を信じ,友達と力を合わせて一歩一歩歩んできたからこそ,
今の輝く姿があるのです。



☆皆さんの力が試されたといえば運動会。6年生になってすぐの6月でした。
Tさんは組体操「花鳥風月」の作文を,このように書き出していました。

「いっせいのおでぇ」。みんなで声を合わせながら,一段ずつタワーを積み重ねていった。
私は二段目,落としそうな心配と不安を抱きながら,なんとか上がった。
すごく緊張しながらも,三段目が上がった。ついに,成功させることができた。
その時は,うれしくて 不安がどこかに消えていた。
すごく難しくて,くじけそうなって,もうやめたいと思ったこともありました。
と,練習の時の気持ちも書いていました。
全ての学級の三段タワーが上がったとき,Aさんは,こう書きました。
自然と笑顔で,みんなと「練習をがんばってよかったね。大成功だったね。」と 手をたたき合いました。
力を合わせて乗り越えた瞬間でした。最高学年として,一歩前進した瞬間でした。
その時のみなさんの姿は輝いていました。そして,私たちに大きな感動を与えてくれました。


☆11月の 文化学習発表会。
6年生のテーマは「がんばろう 日本! つながろう 6年」でしたね。
東日本大震災から,一年が過ぎました。私たちにとっては,もう1年かも知れませんが,
被災地の方を思うと,なかなか復興が進まないいらだちと不安から,
つらく長い1年であったのではないかと,胸が痛みます。
震災で亡くなられた方々のご冥福と,1日も早い復興を祈るばかりです。
3.11。日本国民にとって忘れられない日となりました。日本全国が悲しみに包まれた日となりました。
しかしまた,人と人とが助け合い,心と心がつながる「絆」を考えさせられる日ともなりました。
6年生のみなさんは,被災地の人たちに,元気になって欲しい,家族で笑い合って欲しい,との願いを込めて,
「シング・シング・シング」を演奏しました。
そのときのことを,Kさんはこのように書いていました。

お客さんが笑顔で手拍子をとってくれていました。体育館が一つになった感じがしました。
目を閉じると,そのときの感動がよみがえってきます。
そして,Tさんは,このとき一生忘れることができない大切なことに気付きました。
それは,

元気をおくるには,おくる人も自然な笑顔でないといけない。
ということです。会場が,笑顔で満ち溢れることができたのは,演奏するみなさんの笑顔が 輝いていたからです。
人がやりがいを感じる時は,「だれかのために 何かをする」時だといいます。
被災地の人たちに,日本中に,「元気と笑顔を届けたい。」という目標と思いがあったからこそ,
感動と笑顔を届けることができたのです。
「人とかかわり 笑顔でつながる観音小学校」を合言葉に,
観音小学校のリーダーとして,「つながること」「笑顔」の大切さを行動で示してくれました。



☆さて,みなさんは 将来の夢を持っていますね。K君は,夢をこのように書いています。
科学者になることです。地震が起こるのを伝え,津波から町,家,自分たちの大切なものを守りたい。
そして,地球のため,人類の とても大きな夢に 貢献したい。
また,Y君は
将来の夢は,白バイ隊員です。困っている人を助けるためです。
と書いてありました。
サッカー選手になりたい,野球の選手になりたい,プロゴルファーになりたい,学校の先生になりたい,
花屋になりたい,動物の飼育員になりたい,薬剤師になってみんなの病気を治したい,
ディズニーランドのキャストなって来てくれた人を 笑顔にしてあげたい と語っている女の子もいました。
夢は生きるための心の太陽です。希望です。輝く人生の源です。
夢を持つと,希望が生まれ,目標が生まれます。
Mさんが,卒業生のみんなにこう問いかけていました。

今,あなたには,何かをつかむ 目標が ありますか?


☆国語の学習で「論語」から,みなさん一人一人が,好きな言葉を選んでいましたね。
私からは みなさんにこの「論語」の言葉をプレゼントします。


切するが如く 磋するが如く,琢するが如く 磨するが如し

言葉を縮めて『切磋琢磨』という熟語になります。
「切」は骨,「磋」は象牙,「琢」は玉で,「磨」は石を磨くということです。
つまり,象牙や玉,石など磨き方にはいろいろありますが,
磨いていけば,ぴかぴかに輝き,美しくなっていくという意味です。
こすると摩擦が起こります。それが「つらさ」や「苦しさ」です。
しかし,それを乗り越え,擦れ合わせていくうちに ピカピカになっていきます。
摩擦が大きいほど,輝きを増していきます。
夢をつかむためには努力が必要です。努力は,この摩擦と同じです。努力が大きいほど,輝きも大きくなります。


☆自分たちの力を信じて,力を合わせて乗り越えてきたみなさんです。
きっと 輝かしい未来に向かって,自分の歩幅で,また一歩一歩前進してくれることでしょう。
応援しています。

最後に,Nさんの詩を紹介します。
          感謝

私には たくさん感謝することがある
そばにいてくれた 先生方に 感謝
見守ってくれた家族に 感謝
私たちのために いろいろしてくれた
在校生のみなさんに 感謝
支えてくれるものがあるから
生きていけるんだ
みんな みんな ありがとう
式が終わったら,さっそくお家の方に,お世話になった方々に感謝の気持ち「ありがとう」 
をしっかりと伝えてください。そして,これからも感謝の気持ちを忘れずに生きてください。
        

さあ,卒業生のみなさん出発です。
伝統ある観音小学校の卒業生であることを誇りに,夢と目標をもって,中学校へ進んでください。
中学校が,またみなさんの輝ける場所となるに違いありません。
みなさんの健康と幸せを,心よりお祈りしています。
卒業生のみなさん,さようなら。


☆保護者の皆様,ご家族の皆様,お子様の卒業 誠におめでとうございます。
これまで,本校に賜りました深いご理解と多大なるご支援・ご協力に対して,
厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

平成24年3月19日  

  観音小学校 校長 上田盛之

H24.3.19

                                   

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